保育士と幼稚園教諭の違い(資格・給料)

保育士・幼稚園教諭の就職・転職の基本

保育士と幼稚園教諭の違いは年々少なくなってきています。ただ、仕事を選ぶ上で両者の特徴や違いを把握しておくことは重要です。

ここでは保育士と幼稚園教諭の違いについて分かりやすく解説します。

保育園と幼稚園の違い

保育園と幼稚園の目的

まず、保育士と幼稚園教諭の主な職場になる「保育所(保育園)」と「幼稚園」の目的から確認しておきましょう。

保育所 幼稚園
管轄 厚生労働省 文部科学省
法律上の目的 児童福祉 教育
対象児 0歳から就学前 満3歳から就学前
資格・免許 保育士資格 幼稚園教諭免許
保育時間 原則8時間 原則4時間
延長 延長保育 預かり保育

保育所は厚生労働省が管轄し、「児童福祉」の目的を持ちます。

一方、幼稚園文部科学省が管轄し、「教育」の目的を持っています。

そして、保育所は「保育士資格」、幼稚園教諭は「幼稚園教諭免許状」が必要になります。

違いが少なくなってきている(幼保一元化)

しかし、近年、両者の違いが少なくなってきています。それには次の理由があります。

  • 少子化による園児の減少(特に地方部)
  • 女性の社会進出による待機児童の増加(全国約2万6000人)

そこで、2015年に幼稚園と保育園の特徴を持つ「認定こども園」がつくられました。

少子化とサービスの多様化に対応するために「幼稚園と保育所を一元化しよう」という政策を「幼保一元化」といいます(民主党政権下では「幼保一体化」という言葉を使っていました)。

保育士と幼稚園教諭の違い

ここまでで保育士と幼稚園教諭が勤める「保育所」と「幼稚園」の違いについて分かりました。ここからはそれぞれの資格と免許状の違いについて解説します。

保育士の資格のとり方

保育士になるためには「保育士資格」が必要です。保育士資格は厚生労働省が指定する国家資格で、次のルートでとることができます。

卒業と同時に取得できる

  • 4年生大学保育士養成課程
  • 短期大学保育士養成課程
  • 専門学校保育士養成課程
  • 保育士養成課程

また、保育士試験に合格することでも取得できます。ただし、保育士試験の合格率は約25%と難易度が高いので、相応の勉強の準備が必要です。

保育士試験に合格すると取得できる

  • 保育士試験

参考:保育士試験|厚生労働省

幼稚園教諭免許状のとり方

幼稚園教諭になるためには「幼稚園教諭免許状」が必要です。幼稚園教諭免許状は、次のルートでとることができます。

卒業と同時に取得できる

  • 4年生大学教員養成課程→幼稚園教諭1種免許状
  • 短期大学教員養成課程→幼稚園教諭2種免許状
  • 専門学校教員養成課程→幼稚園教諭2種免許状
  • 短期大学教員養成課程→幼稚園教諭2種免許状
  • 4年生大学教員養成課程+大学院修了→専修免許状

どの免許状でも仕事の内容に違いはありません。

ただ、1種免許と2種免許では「給与」などの待遇が異なる場合もあります。

将来的に「園長」などの管理職を目指す場合は、1種以上の免許が必要になります。

大学院修了の専修免許状はさらに上の免許状です。これは1種免許を持っていて、かつ3年以上勤務していると取得することもできるので、将来的に取得を目指すのも良いでしょう。

「保育教諭」になるためには両方の資格・免許状が必要になる

前述の「(幼保連携型)認定こども園」で働く人は、保育教諭と呼ばれます。ちょうど「保育士」と「幼稚園教諭」の名前を組み合わせた感じですね。

この保育教諭になるには、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方が必要になります。

保育士と幼稚園教諭の給与の違い

さて、保育士と幼稚園教諭はどちらも就学前の子どもの保育の場であることは変わりません。そこで、給与がどれだけ違うか気になる方も多いと思います。

そこで、両者の給与の違いについて見てみましょう。

保育士の1ヶ月あたりの平均給与は、男性が24.8万円、女性が22.1万円です。

幼稚園教諭の1ヶ月あたりの平均給与は22.5万円です(女性のみ)。

保育士と幼稚園教諭ではどちらも給与にほとんど差がないことが分かります。

参考:賃金構造基本統計調査|厚生労働省

保育士と幼稚園教諭のお給料と平均年収はどのくらい?

公立と私立の方が差が出やすい

どちらかというと保育士と幼稚園教諭ではなく、公立と私立の方が給与の差が出やすい傾向があります。一般的には公立の方が給与面での待遇が良くなります。

公立施設で働く保育士と幼稚園教諭は「地方公務員」扱いになります。

地方公務員の幼稚園教諭の平均給与は、41.9万円です。

公立施設は待遇は良いが難易度が高い

公立は給与などの待遇が良い分、競争率が高くなります。

保育士資格や幼稚園教諭免許状を取得したあと、公務員試験を受ける必要があります。

また、長期的には公立(特に幼稚園)はなくなり、すべてが私立化していくため、これから保育士や幼稚園教諭としてキャリアを重ねるには私立を目指すのも良いでしょう。

具体的には「英語ができる」「ピアノが上手」など他の人にないスキルを身につけることで、他者と差別化ができ、結果的に高い給与で働けるようになります。

保育士・幼稚園教諭の採用の流れ(公立編)

保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を取得するメリット

認定こども園で保育教諭になるために必要

保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を取得するメリットのひとつに「認定こども園で保育教諭になるために必要」であることがあげられます。

改正された認定こども園法の施行後5年間は、保育士資格か幼稚園教諭のどちらかを持っていれば働くことができます(2016年4月1日〜2021年3月31日)。

しかし、この間にもう一方の資格・免許を取得する必要があります。

参考:幼保連携型認定こども園に勤務する保育教諭について

保育職としての専門性が深まる

両方を取得するメリットは就職先の選択肢が広がるだけではありません。

両方を取得することで「保育職としての専門性」を深めることができます。

保育士資格の取得に必要な主な科目

  • 子ども家庭福祉論
  • 社会福祉学
  • 相談援助
  • 社会的擁護論
  • 子どもの保健
幼稚園教諭免許状に必要な主な科目

  • 子どもと国語教育
  • 算数科教育
  • 生活科教育
  • 教育心理学
  • 教育経営論
両方に共通している科目

  • 教養科目
  • 教育原理
  • 保育原理
  • 発達利心理学
  • 保育者論

上記から分かるように、両方を取得することでより深い専門性を得られるようになるのです。