保育士・幼稚園教諭の面接でよく聞かれる質問のひとつに「大変だったこと」があります。
「これまでで一番大変だったことはなんですか?」
このように質問されると困ってしまいますよね。そこで、現役キャリアカウンセラーに「どのように答えるのが良いのか?」聞いたところ、最良の答えを知ることができました。
ここでは「大変だったこと」の回答を作る考え方について解説します。
「成功したエピソード」から考える

「大変だったこと」や「挫折経験」というと、これまでに自分が経験してきた中でもっとも大変だったこと、打ちひしがれたことを答える人が多くいます。
しかし、これはおすすめしません。
「大変だったこと」を選んでしまうと、話がそれだけで終わってしまう可能性があります。
この質問では、長所や短所を考えるときと同じように、エピソードから考えましょう。そこで大切なのは、「今までで一番の成功体験を選ぶ」ことです。
「あれ、『成功体験』だと『挫折経験』からズレてしまうのでは?」と考える方もいると思います。
そこで、重要になってくるのが面接官の質問の意図を考えることです。
「面接官の質問の意図」を知ることが重要

面接官は「大変だったこと」や「挫折経験」から何を知りたいと思っているのでしょうか。
面接官はこの質問を通して、「あなたが挫折した経験」を知りたいわけではありません。「あなたが壁にぶつかったとき、どのように壁を乗り越えてきたのか」を知りたいと思っています。
この質問に限らず、面接では「相手の意図」を考えると、答えの方向が分かりやすくなります。
「いかに壁を乗り越えてきたのか」が問われているため、壁を乗り越えていない経験を選ぶことはできません。たとえば「親しい友人の死」などが該当します。
親しい友人が亡くなると、それは悲しいですし、挫折感を味わうと思います。しかし、これはどうやって乗り越えるかというより、ただ時間が解決してくれる要素が大きかったりします。
そうなると、質問の意図からはズレてしまいます。
そうではなく、「試行錯誤をしながら、壁を乗り越えてきた」エピソードを選ぶと良いでしょう。
「努力して成功した体験」を選ぼう

エピソードは「一番の成功体験」を選びます。それも「努力して成功した体験」です。
反対に、「努力していない」「頑張っていない」成功体験にはどのようなものがあるかというと、「宝くじに当たった」などがあげられます。
「宝くじに当たる」というのはたしかにスゴいことですが、「では、宝くじに当たるまでにどのような努力をしてきましたか?」というと、それを回答するのは難しいのではないでしょうか。
(毎日買うという方もいらっしゃるかもしれませんが…)
面接ではどのようなエピソードが良いかというと、「部活動で頑張った」「アルバイトで成長した」などのエピソードがオススメです。
このとき、数ヶ月のような短期間のものではなく、学校生活3年間やアルバイトで2年間のように、できるだけ長い期間努力して成功体験を得たものが良いでしょう。
たとえば、部活動で頑張った人もはじめから上手くいっていたわけではありません。最初はレギュラーになれず、一生懸命練習をした結果レギュラーになって、試合で結果を出したなどです。
または、アルバイトで仕事が全然できずまわりに迷惑をかけていたけど、先輩の動きを覚えたり、分からないことをすぐに聞いて、新人教育を任されるまでになったなども良いでしょう。
このように、最初に「成功した体験」を探し、それが成功するまでにどのように「努力した」かを考えます。この「努力した部分」を「大変だったこと」として話すのが良いでしょう。
まとめ

それでは、まとめてみましょう。
- 成功体験を探す
- 成功するまでに努力したことを考える
- 努力したことを「大変だったこと」として話す
1では、「挫折した経験」ではなく、「成功した体験」を探します。
2の時点で「努力の量が少なかったかな」「努力した期間が短かったかな」と思ったら、1に戻ってみましょう(できるだけ長期間努力していたものの方が良い印象になります)。
この順序で回答を作ると、面接官が知りたい意図に答えることができます。