保育士の離職率は高い?厚生労働省のデータを使った他業種との「比較」や「離職理由」を徹底調査

保育士・幼稚園教諭の転職ノウハウ

一般的に保育士は「離職率が高い職業」と言われています。

しかし、他の職業と比較したときにどれだけ差があるかは意外と知られていません。

ここでは保育士の「離職率」と「離職する理由」、「求められる改善」と「現在、国(厚生労働省)が行っている施策」について丁寧に解説します。

保育士の離職率は10.3%

離職率
全体 10.3%
(うち公営) 7.1%
(うち私営) 12.0%

保育士の離職率は10.3%です。

公営の保育所の方が離職率が低い

ただし、公営(公立)の保育所の離職率は7.1%であるのに対して、私営(私立)の保育所の離職率は12.0%と差があるのが分かります。

これは、公営の方が給与も高く、待遇が手厚いためだと考えられます。

参考:平成25年社会福祉施設等調査(厚生労働省統計情報部)

統計データについて

2018年1月時点で集められる最新のデータを使っています。

数年に一度しか調査が実施されていないものもあるため、ご了承ください。

離職率の平均は15.0%

厚生労働省が発表している「雇用動向調査結果」によると、離職率の平均は15.0%でした。さらに、産業別に分類すると、保育士が含まれる「医療・福祉」の離職率は14.8%になります。

つまり、「保育士の離職率は特別高いわけではない」ことが分かります。

ちなみに、もっとも離職率が高いのは、「宿泊業、飲食サービス業」で30.0%でした。

保育士が改善してほしい1位は「給与・賞与等の改善」

保育士における現在の職場の改善希望状況

続いて、就業している保育士が「職場に改善してほしい」と思っていることを見てみましょう。

59.0%の人が「給与・賞与等の改善」をあげています。

ほかにも「職員数の増加」や「事務・雑務の軽減」「勤務シフトの改善」などがあげられていることから、「1人あたりの仕事の負担が大きい」と感じていることが分かります。

保育士の平均賃金は20万円代が相場

保育士の1ヶ月あたりの平均給与

「改善してほしい」と思っている給与面について見てみましょう。

保育士の1ヶ月あたりの平均給与は、男性が24.8万円、女性が22.1万円です。

この金額に対して「仕事量が多い」と思う人が多いのでしょう。

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「保育士として働きたくない」人が約半数

それでは、実際に保育士を辞めた人はどのように思っているのでしょうか。

  • 保育士職種を希望する:51.5%
  • 保育士職種を希望しない:48.5%

保育士資格を持つ人のうち、約半数の人が「保育士として働きたくない」と答えています。言い方を変えれば、半数の人は「保育士として働きたい」と思っていることになります。

参考:保育分野における人材不足の現状 – 厚生労働省

希望しない理由の1位は「賃金が希望と合わない」

【保育士としての就業を希望しない理由

保育士として就業を希望しない理由には「賃金が希望と合わない」「休暇が少ない・休暇がとりにくい」という職場の環境改善に関するものが多くあげられています。

6割の人は「理由」が解消したら保育士に就業希望している

就業を希望しない理由が解消した場合の 保育士への就業希望

「保育士として就業を希望しない理由が解消したら働きたいか?」という質問に対しては、約6割の人が「希望する(働きたい)」と回答しました。

つまり、待遇が改善されたら離職率が低くなると考えられます。

「短時間正社員制度」を使った保育士の再就職促進

現在、待機児童を解消させるために、国は厚生労働省を中心に「短時間正社員制度」を使った保育士の再就職を促しています。

短時間正社員制度とはー

育児・介護等と仕事を両立したい社員、決まった日時だけ働きたい入職者、定年後も働き続けたい高齢者、キャリアアップを目指すパートタイム労働者等、様々な人材に、勤務時間や勤務日数をフルタイム正社員よりも短くしながら活躍してもらうための仕組み。

参考:短時間正社員制度 導入支援ナビ

再就職するのに課題になっていることに「子育てや家庭との両立」「労働条件、賃金、待遇」などがあげられるため、「短時間勤務」など多様な働き方ができる仕組みが生まれてきました。

厚生労働省も短時間でも正社員として勤務できる「短時間正社員制度」を支援しているため、これらを導入する保育所が増えることで、待遇が改善していくと考えられています。